「美人の湯」と銘打った温泉は比較的たくさんある。「美人の湯」たる所以は主に「お湯に浸かった時に肌がぬるっとする」という部分である。肌がぬるっとする=角質取れる=美肌=美人という方程式と思われるが、角質取れる=美肌というのはいかがなものであろうか。
まず、「肌がぬるっとする」というのはほとんど泉質がアルカリ性の場合である。火山性の温泉、例えば草津、登別、湯布院などは肌はぬるっとすることはほとんどない。「肌は弱酸性」というフレーズは各種洗顔料、ボディーソープでも良く言われているが、弱酸性の肌にアルカリ性の温泉水が触れると酸塩基反応により肌が少し溶ける。つまり古い角質が少し溶け、新しい角質が露出することで「肌がすべすべ」になるのである。
気をつけなくてはいけないのが保湿だ。新しい角質が露出した状態では水分が蒸発しやすく、風呂上がりから数時間経過した後には水分が盛んに蒸発し、カサカサした肌になってしまう。もしこの状態でさらに入浴すると、新しい角質も薄くなり、乾燥が進んでしまう。
真の美人の湯と呼ばれる温泉には保湿成分が含まれている。保湿成分というのは主に親水性高分子(分子量が高い)成分であるが、北海道に多い腐葉土由来のフミン酸は代表的な温泉含有高分子成分である。腐葉土は草や葉っぱが腐敗するかと思いきや低温のため腐敗しきれなかった物質だが、枯れた草木のため色は茶色い。腐葉土から侵出した液体も茶色い。この茶色にフミン酸が多く含まれている。
腐葉土が多く含まれている地層は還元的な性質があるので、その地層を通過する地下水はアルカリ性になることが多い。
これらのことから、アルカリ性+腐葉土っぽい液体=角質溶かす+保湿ということになる。まあ、古い角質なんかはそのうちとれるので、温泉で血行促進+保湿をしておけば良いとは思う
結論としては温泉はいいものだ!
0 件のコメント:
コメントを投稿